【中編】田舎暮らしの物件探しで確認すべきポイント
このブログを書いている「にゃこ」と「ひろまる」は東京から自然豊かな環境を求めて那須に移住してきました。今回は、気候や環境で確認すべきポイントをまとめました。移住後に気がついた点もあるので、これから物件や土地を探している方の参考になれば幸いです(^^)
定住可能な場所か
那須のような避暑地に限定したポイントかもしれないが、那須の建物(別荘)は夏だけの利用を想定した設計で、しっかりと断熱施工がされていない物件が多い。
定住を考えるなら定住目的で建てられた物件を探そう。定住物件を探していることを不動産会社に伝えれば、定住向け物件を探してくれる。自分が探した物件が定住向けか分からない場合は、定住可能か聞いてみよう。
那須高原の標高について、東北自動車道の那須インターの標高は約350m。那須街道の広谷地交差点(道の駅『那須高原友愛の森』周辺)の標高が約480m。那須御用邸の標高は約700m。
標高を言われてもイメージがわかない場合は、那須インターは東京タワー、那須御用邸は東京スカイツリーと同じくらいの高さってこと。余計にわからないか(^o^;)
定住場所は標高500mまでを目安にするのがよい。もちろん、環境によって500m以上でも定住可能だが、冬の寒さが厳しくなることは間違いない。逆に夏場は涼しいというメリットがあるので、寒さはまったく問題ないということであれば引き止めません・・・😂
ちなみに那須の知り合いで、冬の寒さに耐えられず標高650mエリアから標高450mエリアに引越してきた方がいる。200mの差で寒さが全然違うらしい。体感的な寒さだけでなく、路面凍結や積雪量にも大きな差があるようで、買い物等の日常生活を考えても標高を意識して移住場所を探したほうがよさそうだ。
参考までに、那須高原と東京の平均気温(統計期間は1991年~2020年)。気温差が6~7℃あるので、那須高原がいかに寒いか(涼しいか)が分かると思う。
月 | 那須高原(℃) | 東京(℃) |
---|---|---|
1月 | -1.7 | 5.4 |
2月 | -1.3 | 6.1 |
3月 | 2.0 | 9.4 |
4月 | 7.8 | 14.3 |
5月 | 13.0 | 19.4 |
6月 | 16.4 | 23.6 |
7月 | 20.2 | 26.1 |
8月 | 21.0 | 26.9 |
9月 | 17.3 | 23.3 |
10月 | 11.8 | 18.0 |
11月 | 6.4 | 12.5 |
12月 | 1.1 | 7.7 |
年平均 | 9.5 | 15.8 |
湿度の高さに注意
東京から那須に移住してきて、盲点というか考えが甘かったのが湿度。
那須に移住してきてすぐに感じたのが冬でも意外と湿度が下がらないこと。東京では11月初めには加湿器を使い始めていたのが那須では12月になっても乾燥を感じず、湿度計をみて50%前後と快適。加湿器を使い始めたのは年が明けた1月中旬から。
冬の湿度の高さは静電気で痛い思いをすることもなく嬉しい誤算。ただ、夏の湿度がすごかった。梅雨入りした6月頃から徐々に湿度が高くなり、部屋の湿度が90%近くになることも。
すぐに強力な除湿機を購入して対応したが、ちょっと天気が悪いと湿度が急激にあがる毎日。家中の収納に除湿剤(水とりぞうさん 等)を置いてはみたものの、あっという間に水が溜まる。洗濯物も乾きにくく、9月の頭くらいまでジメジメとの戦いが続いた。来年は、追加の湿度対策を考えねばと頭を悩ませている。
東京のアパート・マンションでも1階と2階以上では室内湿度の差は歴然。東京で初めて一人暮らしをしたときに住んでいたアパートは1階。梅雨時は押し入れや下駄箱、キッチン収納等の湿度(カビ臭さ)に悩まされた。そんな経験から引越先は必ず2階以上の物件を選んでいた。
那須で探していた物件は一戸建てなので2階以上という選択肢はなく、その代わり日当たりや風通しが悪そうな物件は選択肢から外してきた。実際に購入した物件は家の3面が道路に面しており、家の裏手以外は日当たり良好。それでも湿度は高かった。
土地や物件を探す際のポイントとして、アスファルトや側溝、木に生えている苔の状態をみてみよう。那須で自然豊かな土地を探そうと思うと、苔がまったくないという場所を探すのは難しいかもしれないが、苔が生えている範囲(広さ)や苔の厚さでその土地の湿度の高さを想像できる。
周辺環境(騒音・振動・臭気等)
物件購入前に必ず現地確認、内見をすると思うが、たかが30分から1時間で周辺環境の問題の有無をすべて確認することは不可能。
契約時には重要事項説明というステップで騒音・振動・臭気等で告知すべき内容があれば説明される。自分が購入した物件は一部の設備が故障していた。この点、重要事項説明書にも記載があり、契約時に説明を受けた。また、内見の際にも「ここは壊れているので、物件購入後に自費で修理が必要です」ということを聞いていた。
しかし、物件の購入意思を伝え、手付金を支払い、契約当日に重要事項説明の1つとして「牧草地が周辺にあるため臭気を感じることがある」と初めて説明を受けた。那須を車で走ると牧場をよく見かける。ただ、物件周辺を車で走っても牧場は見当たらなかったので、風向きとか季節によって臭うことがあるんだろうかと軽く考え、臭気といってもそんなに臭くないでしょと、あまり気にしなかった。
実際に住んでみたら考えていた以上に臭気を感じた。牧場での作業内容や風向きによって臭いが飛んでくるようだ。臭くて堪らないという感じではなく、今日はちょっと臭うな、と感じたあとはいつの間にか臭いがしなくなっている程度。
ただ、那須エリアを車や自転車で走っていると、きつい臭いを感じることもある。手付金を払って、いざ契約しようとなったときに許容できない重要事項が明らかになってキャンセルするには相当のパワーが必要になる。物件見学時に騒音・振動・臭気等に限らず、重要事項説明で説明すべき内容がないか、不動産営業に確認しよう。
花粉はそれなりに多い
これは勝手なイメージ。東京はアスファルトが多く、花粉が空中に舞いやすい。だから、花粉症の症状がひどくなりやすい、と考えていた。
那須に移住すれば、畑や田んぼ、森林が多いため、絶対的な花粉量が多くても飛散する量が少なく、体に与える影響は東京よりも小さいのではないかと期待していた。
花粉の飛散が始まったというニュースを見かけるようになってしばらくは、花粉症の症状があまり出なかった。期待通りと喜んでいたのは最初だけ。森林が多い、風が強い、森林から住んでいる場所が近いため、花粉の量が東京とは圧倒的に違う。風の強い日は車、ウッドデッキなどに薄っすらと黄色い花粉が積もっているといっても言い過ぎでない状態。
那須の中でも住む場所によっては花粉の量が違うと思う。けれど、東京での生活より花粉症の症状は軽くなるだろうという甘い期待は持たないほうがよい(こんな間抜けな考えを持つのは自分だけかもしれないけど😅)。
花粉については物件探しのポイントではないけど、覚悟が必要ということをお伝えしたい。自分は花粉症シーズン前に病院で花粉症の薬を処方してもらい対策しようと考えている。
必ず防災ハザードマップの確認を
これは那須移住に限らず、引越をする際に必ず確認して欲しい。市区町村名+”ハザードマップ”でGoogle検索すると、各自治体が出している次のような防災情報を確認することができる。
- 大規模地震が発生した場合の想定震度
- 液状化情報
- 土砂災害
- 洪水/浸水
- 火災
この防災情報はあくまでも想定。いろいろな条件によって災害が起こる場所や規模は変わってくる。ただ、自分が住みたい土地の災害リスクを理解して、移住という決断に大きな後悔を残さないようにしたい。リスクを知っていれば、防災の意識も高まり、災害に備えることもできる。もし、許容できない(心配な)リスクがあるのなら、違う土地を探すことも考えよう。